え?そうなの?相続日記
相続放棄と相続財産管理人
2014年8月8日
相続人には,相続財産の管理義務があります。これは,相続放棄をした場合でも同様です。
「相続放棄したからもう関係ない,相続財産の管理も放棄する」
ということになると,債権者や次順位の相続人に不利益が及ぶからです。
したがって,相続放棄をしたからといって,相続財産を適当に扱ってしまうと
思わぬ形で損害賠償請求を受ける可能性があるので注意が必要です。
そこで,このような問題に対処するために
相続財産管理人という制度があります。
相続財産管理人とは相続財産の管理・調査・換価等を行う者で,
利害関係人又は検察官が家庭裁判所に申立を行い,審判により選任されます。
相続財産管理人が選任され,相続財産の管理を開始できる状態になると
相続放棄をした者は相続財産管理義務から解放されます。
ただ,相続財産管理人選任の申立をする際は
家庭裁判所に予納金を納めなければなりません。
予納金の相場は,一般的に20万~100万と高額になり,
そのため,相続財産管理人選任の申立がされないケースも多いです。
予納金よりも明らかに残余財産が多い場合は,
債権者が利害関係人として申し立てることもあります。